どうせ買うなら、とことん好きなもの。持っている服や小物は少ないが、1点1点は好きなものばかり。だからなかなか数が増えなくて、結果「少ない服」で回している。
買い物の失敗を防ぐために、一目ぼれで服や小物を購入することはできるだけ避けている(もちろん失敗も…)が、先日、とあるショップで目にしたロゴTシャツに衝撃が走った。
服に初めて感じる運命。ラテン語で「いまを生きろ」と書かれたTシャツ
これまで服や雑貨に一目ぼれはそこそこあったけれど、運命レベルにまで感じたのはこのTシャツが初めてだ。
それが “CARPE DIEM”、「今を生きろ」という意味のラテン語がプリントされたロゴT。

特段変わったデザインではないが、このTシャツを見た瞬間、
「いまを生きる」だ!
と、嬉しさと懐かしさが込み上げてきた。
ティーンエイジャーだった頃に泣いた映画のメッセージTシャツ
高校の英語の授業で観た「いまを生きる」というアメリカ映画の邦題は、この “Carpe Diem” を訳したものである。
「いまを生きる」は、1950年代のアメリカの名門男子校を舞台にした映画で、今は亡き怪優ロビン・ウィリアムズが型破りな熱血教師を演じている。
がんじがらめの校則の元で管理された学生たちが、ロビン・ウィリアムズ演じるジョン・キーティングの授業を通して、自分のあるべき姿に目覚めていくという青春群像劇だ。
そのワンシーンでキーティングが口にした言葉が “Carpe Diem”、あるいは “Seize the day”、「今を生きろ、今をつかめ」という言葉だった。
古代ローマの詩人、ホラティウスの詩の一節と言われている。
大人のロゴTは自分のフィロソフィー(哲学)が感じられるものを
”Less is more”「より少ないことはより豊かなこと」が自分の信条であるが、その言葉と同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上に好きな言葉かもしれない。
実はこのブログのタイトルも、当初 “Carpe Diem” にしようかと思っていた(笑)。色々考えて結局やめにしたが、それくらい思い入れのある言葉である。
だから店頭でこのTシャツを見たときは、「自分が買わないで誰が買う!」くらいの勢いで、値札を見る前からお持ち帰りを決めていた。
こちらはフランス製らしく、自分が予想していた額よりもちょっぴり高かった(笑)けれど、こうなったらもうそんなことはどうでもいい。
随分長い間、ロゴTやメッセージTシャツの類とは無縁だったが(「独特な人」のTシャツは結局息子の私服に…)、やっと(いい)大人でも着られる一枚に巡り会うことができた。
夫君にも「刹那的だよね」と言われる自分にぴったりのこのTシャツ。
授業中だというのに涙でグシャグシャになった高1の自分と、その頃の自分が想像したこともないくらい、年を重ねた今の自分。
ソファで息子とふたり、キーティング先生の前で涙と鼻水が込み上げて止まらない自分は、いまを生きているだろうか?
進む方向に迷いそうになったら、このTシャツを手に取って、迷い多き40代の道しるべとしよう。