必要最低限の物で暮らす「ミニマリスト」と呼ばれる人たちの部屋を見たことがあるだろうか?物がほとんどない、ガランとした部屋のビジュアルは視覚にダイレクトに訴える。
いくら物を捨てても、究極には “身軽な暮らし” と言えない理由
『こんなにスッキリした部屋で暮らすことができたら、どんなに身軽に暮らせるだろう!』
ミニマリスト的な思考を持つ人ならば、誰しも同じような感想を持つはずだ。そして自分もそれに続けと、いらないものやトキめかないものをどんどん捨てる。
どんなに持ち物が多い人でも、捨て続ければいつかは家や部屋から物がなくなる。
その境地に達した時、最初にイメージしていた “身軽な暮らし” は果たして実現するのだろうか?
少ない物で暮らすメリット
持ち物を劇的に減らすことで得られるメリットはもちろんたくさんある。中でも、以下の3つはミニマリストになることで得られる3つの大きなメリットと考える。
- 掃除の手間が省ける→時間の節約
- 新しく物を買うことに慎重になる→お金の節約
- 空間がスッキリすることで心が軽くなる→メンタルの安定
スッキリ片付いた部屋に加えて、個人差はあれど、ミニマルな暮らし方を実践していけば、「時間」・「お金」・「メンタルの安定」を手に入れることができるだろう。
かつての自分は、『「ミニマリスト」になることは、 “身軽な暮らし” を実現するための “簡単で”、“やろうと思えばすぐにでもできる” 魔法の処方箋だ』と信じて疑わなかった。
経済的自由と雇われの身からの脱却も身軽に暮らすためには必要
だが、いくら物を減らしたところで、人間が暮らして行く上で必要なお金を稼がなくてはいけないという問題までは解決されない。
結局、我が家も含めた大勢の人たちは、どこかしらの企業や職場に所属して、誰かに雇われて賃金をもらうというサラリーマン生活を送ることを余儀なくされる。
ひとたび働くことをやめれば、どんなに慎ましい生活を送っても、いずれは蓄えた貯金も尽きてしまうからだ。
それが怖くて、みな眠い目をこすって早起きをし、オイルサーディーンのイワシみたいに満員電車に詰め込まれて、会社についたら終業時間を気にしながら仕事をし、日曜には明日が来なければいいのにと願う。
何十年も、その繰り返しで毎日が過ぎて行く。
夫の転職で持ち家を売り、見知らぬ土地に引っ越してきた当初は、 “家がない” ことの自由を謳歌していた我が家だったが、結局持ち家という究極の「モノ」を手放してもなお、それだけでは本当の意味で “身軽に” は暮らせないことを、夫の転職後からほどなくして理解するようになったのである。
“身軽な暮らし” は、 ミニマリスト的生活習慣+ “経済的自由” もセットで考える
つまり、物質的な意味での “身軽さ” に加えて、究極には働かなくても家族が暮らしていける “経済的自由” を手に入れることが、真に “身軽な暮らし” を実現する布石であることに気づいたのだ。
家族が暮らせるだけの収入が毎月のサラリーのように入ってくれば、もはや意に染まない仕事を続ける意味もなくなる。
たった1週間の海外旅行に、残りの有給を気にしながら、周りに「スイマセン」と謝りつつ、『こんなに仕事休んじゃって申し訳ないな・・・』なんてイミフな後ろめたさを感じて出かける必要もない。
生きていけるだけの定期的な収入があり、誰にも雇用されず、さらにミニマリスト的な生活習慣により溢れるモノ・コトから無縁でいられれば、その時初めて “身軽な暮らし”を実現できている、と自覚が持てるはずだ。
我が家が目指のは “好きなことを好きなときに、誰にも邪魔されずにできる暮らし”
我が家が真剣に “経済的自由” について考え始めたのはそれからだ。
夫が転職をしたことで、転職前よりも多くの給与を得ることができたが、高い給料とセットになってやってきたのは “重い責任” と “サービス残業” と “高すぎる税金” だった。
持ち家を売ったことで背負う物もなく、順調に貯金も増え、旅行に行く回数も増えた。当面は家賃の負担も借り上げ社宅のおかげで少なく、はたから見れば何の問題もない家庭のように映るだろう。
しかし自分と夫は(特に夫が)、今の暮らしは長くは続けられないと悟ってしまった。
今はまだ子どもたちにお金のかかる時期だから、稼ぎ頭である夫が急に会社を辞めるという選択肢はない。
だが、どんなに長くてもあと10年以内に、つまりは夫が50歳を迎える前までに、あるいは下の娘の大学卒業後速やかに、夫が会社を辞めるという選択肢を取る決心をした。
“身軽な暮らし” の布石としての不動産投資
そのために何が必要なのかを夫婦で真剣に考え、行き着いた答えが “不動産投資” だった。
“不動産投資” と聞いて、かつての自分のように拒否反応を示す人も多くいると思う。
その是非は今置いておいて、我が家は夫がサラリーマンでいるうちに不動産投資で不労所得の種をまいておき、2人の子どもの手が離れた段階でサラリーマンを辞めるという計画を立てている。
我々夫婦の望むことは、
- 好きな時間に起きて、好きな時間に寝て、
- 行きたい場所に気兼ねなく出かけられて、
- やりたいことをお金を気にせずチャレンジする、
というもの。
“不動産投資家” から想像するバブリーな暮らしではなく、普段の暮らしはあくまでも質素に、だが時間や余暇の使い方について、誰にも邪魔されずにやりたいことができる環境を築くこと。
それこそが、アラフォー夫婦2人、不動産投資によって実現したい夢の “身軽な暮らし” である。