生きていく上で必要なものはできるだけ減らして身軽に暮らしたい。とはいっても、人並みに美しいもの、かわいいものも大好きだ。その相反する心を満たすために、生活道具は心ときめくデザインのものを厳選するようにしている。
実験道具のフラスコみたいなガラスの醤油差し

社会人になってひとり暮らしを始めた頃にも、同じようなガラスの入れ物を醤油差しとして使っていた。あるとき割ってしまって、それっきり。
数ヶ月前に「アンジェ」という雑貨店でこちらの入れ物を発見したときは、十数年ぶりに旧友に再開したような、とても懐かしい気持ちに。
昔使っていたものよりも一回り小さいが、醤油差しとしてはそちらの方が使い勝手がよい。酢やオイルを入れて、何個か食卓に並べて置くとかわいいかもしれない。
岩塩用の「ツボエ」の小さなおろし金を生姜おろしに

えっ?
これって岩塩をおろすものだったの⁇ 今回記事にしようと思ってググったおかげで初めて知ったわ(笑)我が家は生姜のすりおろし用に買ったんだけど……。
手のひらにすっぽり収まるサイズ感と、軽さと、デザイン。自分がアガる要素が三拍子揃っている(笑)、食卓の名脇役。
おろし金って、プラ製にしろステンレス製にしろ、穴におろしたものが詰まって洗うのが大変で。この空豆みたいなおろし金を手に入れるまでは、生姜をおろすのが億劫で、ついチューブ入りの生姜に手が伸びていたけれど。
TSUBOEさんのおろし金にはこの穴がない。洗いやすくて、素晴らしい。
「工房アイザワ」のシンプルを極めたステンレス製の箸箱

嫌いなものを買うくらいならなくてもいいや、という自分の血を色濃く受け継いでしまった高校生の我が息子。
学校に持っていく箸箱も、ただのシンプルな箸箱には見向きもしない。
「なんの飾りもない、直線的なデザインの箸箱が欲しい」とリクエストされ、ほとほと困り果てた頃に出会った工房アイザワのステンレス製箸箱がこれ。
家に持ち帰ると、箸の先がシュッと尖った息子のスリムな箸の収納にぴったりだった。
母はもうちょっと丸みのあるデザインが好きなのだが、男子はこういう直線的なデザインがお好きなのね。
息子が大喜びしたのはいうまでもない。
KEYUCAのミニマル螺旋状のステンレス製コーヒードリッパー

学生の頃に母親に持たされて、以来何十年も使ってきたメリタの陶器製コーヒードリッパー。
年月を経て底が欠けてしまったのを機に、もっと洗練されたデザインの、重くないドリッパーに買い換えることに。
買い換えようと決めてからかなり時間が経っていたのは、納得できるデザインの、素敵なドリッパーが見つからなかったから。
そしてついに、何から何まで自分のお眼鏡に叶うものに巡り会えた!
それがKEYUCA(ケユカ)のステンレス製ドリッパー。

上の画像のように、本来はカラフェに置いて使うものなんだろうけど、自分はマグカップやコーヒーカップに直接ドリッパーを置いてコーヒーを淹れている。
注意点としては、円錐形のフィルターを使わないとコーヒーがカップの外に垂れてしまいがちなこと。
それを防ぐために、このドリッパーに適した円錐形のフィルターを見つけたら、即購入するようにしている。
台形のフツーのフィルターが安いからって、三角に折ってみても、ドリップしたコーヒーがかなりの確率でOBしてしまうのでオススメしない。朝からプチ機嫌悪くなるので、そこはケチらずに。
フィルターが手に入りづらい問題はあれど、上から見ても横から見てもグッドルッキンな軽いドリッパーに出会えて、とても満足している。

柳宗理の曲線が優美な穴なしステンレストング

キッチン道具で嫌いなのは、接合部分やひも通しの穴に水垢がつきやすい調理道具。
以前使っていた外国製のトングは、ステンレスの接合部分に水垢がたまりやすく、手入れがとても面倒だった。
それが嫌になり、トングは使わず、箸でパスタを四苦八苦しながらすくっていた時代も(笑)
そんなときに出会った、柳宗理の穴なしステンレストング。
パスタに限ればもっとすくいやすい形状のものがあるかもしれないが、焼き魚に、サラダに、炒め物にとマルチに使える上、滑らかな曲線のみの形状は洗いやすさもピカイチだ。
長く使われてきたものには訳がある。
これ以外のトングを買うことは生涯ないと断言できる。
手入れのしやすさが長く愛用できるかどうかの分かれ目
キッチン用品に関しては、使っていてうれしくなるような素敵なデザインであることに加え、手入れのしやすさが長く愛用できるか否かの分かれ道となる。
さらに言えば、自分は曲線的なデザインが好みということもわかった。
今はリアルでもネットでも素敵なものが溢れかえっている。だからこそ、自分の中にしっかりと「もの選びの基準」を定め、不必要にものを増やさないように気をつけようと思う。