“捨てモード” にスイッチが入り、リサイクルショップへ不用品を大量に持ち込んだ。ところが、長年大事にしてきたパーティーバッグの査定がたったの「50円」という現実。『半永久的にお気に入り』だと思い込んでいた物も、 “ときめき” の定期更新が必要だったのだ。
“ときめき” にも賞味期限がある

20年近くも前に、西武のバッグ売り場で一目ぼれしたビーズのパーティーバッグ。
結婚式に参加するために慌てて購入した記憶がある。
チャコールグレーの地色の上に、黒のビーズやスパンコールの花が縫い付けられたもの。
シックな色合いと、かわいらしいお花モチーフのギャップがお気に入りの一品だった。
友達関係の結婚式も一巡し、しばらくクローゼットにしまい込んでいたけれど、引越しのダンボールには必ずこのバッグも忍ばせてきた。
ところが先日、久しぶりに箱を開けてみて思ったのは、
『もう、いいかな。』
自分が『きれいだな』『素敵だな』と思うものも、年を重ねて少しずつ変化していることに気づいた。
このバッグは長年 “お気に入り枠” に鎮座していたので、気持ちの変化に気づくのが遅れてしまったのだ。
一度『もういい』と感じると、かつてのお気に入りでさえ、まったく未練がなくなるのが不思議だ。
娘に引き継ぐことも考えたが、自分がときめかなくなった物を押し付けるのはよくない。
「50円」という査定価格に最初は唖然としたのだが、この20年、自分の目を楽しませてくれたことを考えると、 “減価償却した” のだと静かに見送る気持ちになれた。
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“好き” なのに長年しまい込んだままなら、それは多分 “執着心”

古くからのお気に入りを手放して弾みがついたのか、 “目の保養系” の雑貨にもこの機会にメスを入れることにした。
随分昔に、骨董市で見つけたものを自分でグレーにペイントした木製のスパイスラック。
発掘した当初は、単なる古びた木製のスパイスラックだった。
それがちょっとペイントするだけで、自分好みの飾り棚に変わるのだから面白い。
もっぱら娘の部屋で小物の飾り棚として使用してきたのだが、最近は彼女もポップなものが好みらしく、いつの間にか自分の元へ里帰り(笑)
玄関に置いてみたり、リビングで使ってみたりもしたけれど、どこに置いてもしっくりこない。
部屋の隅っこでホコリをかぶることが多くなって初めて、やっと手放そうという気持ちになった。
たくさんのガラクタの中から、光る原石を見つけ出す楽しさが蚤の市の醍醐味だとしたら、その楽しさはすでに体感済み。
そもそもこの小さな棚に飾るような雑貨が、我が家にはほとんど残っていないではないか?
飾り棚を使わなくなってからもしばらく手元に置いていたのは、かつてのお気に入りに対する執着心でしかなかった。
年に一度は “まだときめくか?” の定期更新をしよう
かつてどんなにときめいた物であっても、そのときめきには “賞味期限” がある。
不用品のない、スッキリした空間で暮らしたければ、物としてまだまだ使える “消費期限” よりも、「まだときめくことができるか?」という “賞味期限” にフォーカスして物の取捨選択をしたい。
そのセンサーが鈍ってくると、家の中が不本意な物で埋め尽くされる。
一度ときめいた物であっても、時間の経過でいつの間にかときめかなくなっていることはよくある。
そのときは潔く心変わりを認め、これまで目を楽しませてくれたことに感謝しつつ、物とはきっぱりお別れするべきだ。
かつてときめいたお気に入りたちも、「いる?」「いらない?」の取捨選択は定期更新を心がけよう。
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