投資物件の購入前には資料を取り寄せ、よさそうな物件であれば現地調査に出かける。その前の物件の下調べや業者さんとの接し方など、我が家のような駆け出しの不動産投資家が物件の見学をする前に最低限やるべきことをまとめた。
現地調査の前の投資物件のスクリーニング(ふるい分け)は念入りに!

我が家の場合、物件の資料をいただいた後で、まず下に示した項目を最低限チェックする。
- マイソク(物件情報のチラシ)に書かれた利回りで実際に回るのかシュミレーション
- 物件周辺の環境をグーグルマップでチェック(スーパー、コンビニが近くにあるか? 嫌悪施設や擁壁が近くにないか?など)
- 最寄駅の乗降者数(今後も安定して入居者を確保できそうか?)
- 周辺のライバル物件の数や賃料のチェック(ライバルが多すぎて客付けに苦戦しないか? 想定賃料が高すぎないか?)
- ハザードマップの確認(浸水やがけ崩れの危険性は?)
この段階で、あらかたの物件はふるいにかけられ、実際に見ることもなく『サヨウナラ』をすることになる(泣)
マイソクの想定賃料は盛っていることが多いので要注意

これまでの経験上、マイソクの想定賃料や利回りは実際の相場よりも楽観的なシュミレーションで作られたものが多い。
我が家のような初心者大家はそのようなトラップを慎重に排除しなくてはならない。
そのためには、該当物件のエリアで現在募集をかけている賃貸のうち、間取りと築年数が近い物件の賃料をベースに、検討している物件の住戸数を当てはめて、想定利回りを計算し直すことである。
これをやらないで物件を見に出かけるのは完全な無駄打ちだ。
マイソクに書かれた想定賃料を信じて、「この利回りならイケる!」などとぬか喜びはしないこと。
サラリーマン大家の休日を無駄にしないために、できうる最大限の事前チェックを

サラリーマン大家なら、物件の現地調査に出かけられるのは大抵週末のみになる。
まだ1棟も持っていないエア大家さん(少し前まで我が家も前のめりなエア大家、しかも3年ww)のうちは、ちょっと難ありと感じても、実際の物件を数多く見ることで得られることは多い。
そうはいっても、明らかにダメダメな物件は最初から排除すべき。
でないと最初の1棟を買う前に、休日を無駄な物件周りに費やし疲れ果ててしまう。夫婦のどちらかが不動産投資に乗り気でないならなおさら。
そのような事態を避けるためにも、マイソクの段階から物件のウィークポイントをあらかじめ把握できれば、無駄に現地に出かけてがっかりすることもない。
どんなに業者さんにおすすめされようとも、上にあげたチェックポイントくらいは最低限確認してから現地に足を運ぼう。
ダメ物件の紹介も、買主からきちんと断るべき理由

マイソクから調べられることをすべて確認し、夫婦でOKサインが出て初めて、物件の取り扱い業者に電話をする。
ここでは売主さんの売却理由や、物件に対する懸念材料を伝えて、値引きができそうかどうか軽くジャブを打つことが狙い。
よさげな物件であれば、合わせて銀行の方にもマイソクを送り、融資が付きそうか、付くとしたらどれくらい貸してもらえるのか、打診しておくことも忘れずに。
もしイマイチな物件で売主業者にお断りをする場合も、こちらから問い合わせたものや先方から提案された物件に関しては、買主の側から電話やメールで担当者に連絡をとってきちんとお断りしよう。
なぜわざわざそんなことをするかというと、次に別の収益物件の情報が出てきたときに、優先的にその情報をこちらに回してもらうためである。
売主業者を味方につけて “検討に値する” 物件に出会う可能性を高める

業者さんも忙しい。
せっかく時間をとって資料を送ったのに、何の反応も返してこない投資家に構っているほど暇ではない。
そんな買主が大勢いる中で、
「この点が少し気になるので、今回は申し訳ないのですが見送らせてください。」とお断りしたあと、
「これくらいの予算で、築○年くらいの減価償却の取れる物件を探しているので、そのような物件が出てきましたらぜひご紹介ください!」
と、こちらの条件をはっきり示して自分の存在をアピールしてくる投資家は彼らの記憶にも残る。
この一手間が、後々ライバルである他の投資家との情報格差となってジワジワと効いてくるのだ。
誠実な買主の所によい物件は集まる
こちらから売主業者に連絡して、物件を見送る理由を説明することで、自分が冷やかしの投資家でないことが伝わる。
また投資物件の選定の際に何をNGと考えているかが相手にも伝わり、次回以降に紹介される物件のミスマッチを防ぐこともできる。
さらに自分の欲する物件の条件(細かすぎてもダメ)を伝えることで、次にドンピシャリなものが出て来たときに、その担当者にいの一番で連絡がもらえる買主になれる可能性が高まる。
不動産投資の根幹は、情報の精査と売主への誠実な対応
上記のような対応を続けていると、そのうちマイソクの見方の勘所も付いてきて、色々な業者さんから『これは!』という情報が少しづつ流れてくるようになる。
情報のスクリーニングはあくまでドライに、ただし担当者とのやりとりはウエットに。
世間では派手に見られがちな不動産投資の足元は、以外にも地味で泥臭いやりとりの繰り返しである。